西上尾のワイン教室 vin de châtaigne

2024年にワイン教室open予定です♪

冬のデイリーワインを探してカルディへ

皆さま、こんにちは。

先日カルディでホットワインを購入したのを機に、私の中で何度目かのカルディブームが起きています。クリスマスシーズンなので期間限定のお菓子が多く販売されていて、見ているだけでも楽しい気分になります。折角なので、カルディのワインを開拓してみようと思い、何となく気になったラベルの物を2本購入してみました。それがこちら。

左側:Nivarius Tempranillo Blanco

シロクマの可愛いラベルに一目ぼれ。セールで1,000円ちょっとになっていました。
ブドウはテンプラリーニョ・ブランコ。テンプラリーニョなら何度も飲んだことがありお気に入りの品種なのですが、ブランコは初めて。中々ワインショップでも見かけないブドウです。少し調べてみたら、1988年に発見された品種で、黒ブドウのテンプラリーニョの突然変異とのこと。

一言で例えると、アルパカのシャルドネを少しライトにしたような感じ、でしょうか。スッキリ系というよりはコクあり系に分類したくなる味わいです。グラスに注ぐと柑橘類や青りんご、りんごなどのフレッシュ系のアロマが漂いますが、時間が経つともう少しトロピカル感が出てきます。この辺り、ソーヴィニヨン・ブランみたいです。口に含むと酸味は比較的穏やかで、わずかに甘味も感じられます。余韻がコクありシャルドネを飲んだ時と似ている気がします。

シロクマのラベルなので冬に飲むワインなのかな、と思ったのですが個人的には夏に飲みたい1本だと思いました。冬だと合わせるなら、あっさり系の魚介鍋とかでしょうか。キムチ鍋とかカレー鍋だとこのワインの良さは活かせないですね。悪くはないのですが、定価(2,000円ぐらい?)ならアルパカのシャルドネが良いな、という感じでした。


右側:moonlight bay SAUVIGNON BLANC
シロクマの方はラベルに一目ぼれしたのに対し、こちらはmoonlight bayという名前に惹かれて購入しました。南アフリカのウエスタンケープのソーヴィニヨン・ブランです。ヘミングウェイの「老人と海」のような硬派なイメージを抱いて飲んでみたら、とてもまろやかで春の夜の海という感じでした。リンゴ、青リンゴ、白桃のようなフルーティな香りの中に爽やかなハーブのアロマがします。酸味は少しありますが甘味も感じられ、とてもシルキーな喉ごしで質の良さがうかがえます。

これが1,000円なのは結構お得では、という印象です。フランスならまずありえない価格設定ですね。同価格帯のチリワインだとパワフルな物が多いのに対し、こちらは本当にたおやか。コクありシャルドネと同じようにクリーミーなお料理から、塩コショウを一振りした白身魚のグリルなど、幅広いペアリングが楽しめそうです。通年美味しく頂けそうですが、個人的には春の夜に窓を全開にして夜風を浴びながら飲みたい1本です。春宵十話を読みながら、とかもよさそう。お気に入りの1本になりました。

クリスマスシーズンと言えば・・

皆さま、こんにちは。

今回も久々の更新になってしまいました。
先日まで夏日が続いていたのに、一気に寒くなりましたね。寒いのが苦手なので電気毛布を出しましたよ。おかげで快適に眠れていますが、朝起きて布団から出るのが辛くなりました。

とはいえ、年末年始のホリデーシーズンってワイン好きにとって、一年で最もウキウキするシーズンではないでしょうか。11月はボジョレーヌーボー解禁、12月は忘年会やクリスマスパーティーで泡やロゼが大活躍し、年末年始は自分にとってスペシャルな1本を・・・、とあれこれワインの抜栓予定を考えるのが楽しい時期です。

そして、寒い時期と言えばやっぱりこれ!ホットワインです。
先日カルディでホットワインとマグカップのセットが売られていたので、衝動買いしちゃいました。

ラプンツェル グリューワインです。ドイツ伝統のレシピで作られていて、シナモンの香りが良い仕事をしています。アルコール度数は10%なので、温めているうちにもう少し度数が下がると思います。ちょっと香りが薬草っぽい雰囲気もあるのですが、それがかえって体に良さそうな印象を与えます。余韻はそこまで長くないので、割と何でもペアリングできそうです。

甘口なのでチーズとも合いますし、単体でも美味しく飲めます。チーズならマイルド~コクのあるチーズと合いそうです。個人的にはコルビージャックやミモレットが良いと思います。なので、シェーブルやモッツァレラのようなフレッシュ系はちょっと相性が悪いかもしれませんね。

そして何より、本当に身体か温まるんですよ・・・!ハーブティーを飲むより、からだの芯から温まります。酒は百薬の長ってまさにこの事。今回はお試しサイズなので250mlでの購入でしたが、フルサイズ(1000ml)を常備しておけば、今年の冬は暖かく過ごせそうな予感。抜栓してから数日は長持ちしそうなので、飲み過ぎに注意しながら味わうのも楽しそうです。

ソムリエ協会のセミナーに参加してきました

皆さま、こんにちは。

久々の更新になってしまいました。今年の夏は異様に暑い日が続いていますが、体調はお変わりないでしょうか。

さて、久しぶりにソムリエ協会開催のセミナーに出席してきました。この日のテーマは「オーガニック、サステナブルビオワインとコントロールおよび従来型のワイン造り 比較テイスティング」というちょっと長い物。

一言でまとめるなら、「SDGsや環境に配慮したワイン造りの紹介と試飲」という感じでしょうか。とっても興味深い内容だったので、ぜひシェアさせてください。

◆ブドウ栽培とテクノロジー

水耕栽培の野菜がスーパーに並ぶようになってきたので、世の中的に農業とテクノロジーは意外と親和性が高いのかな、という印象になりつつありますね。ブドウ栽培もテクノロジーを取り入れた畑が増えていて、ドローンや衛星を使って畑をモニタリングし、樹勢のチェックなどが行われているようです。その一方で、馬や山羊などの動物と一緒に畑作業を行ったり、テクノロジーとアナログが共存しています。栽培家は10年後、50年後の未来を見据えたワイン造りを意識しているとのこと。

酸化防止剤あれこれ

ワインを飲むと頭痛がする、と仰る方がいます。原因は人それぞれですが、必ず話題に上がるのが酸化防止剤。実はこれ、あんまり関係ないのをご存じでしたか?ある調査によると、酸化防止剤は一万人に一人の割合で気管支に影響があるものの、頭痛とは無関係だという結果が出ているそうです。じゃあなんで頭痛がするのかと言えば、アルコールが原因の事がほとんど。酸化剤無添加でも飲みすぎると普通に二日酔いになるので、ナチュラルワインだから絶対大丈夫、というわけではないです。ナチュラルワインは最近流行っていますが、玉石混合な印象です。酸化して品質が落ちているものでも、「これはナチュラルワインだから」という理由で持ち上げられているものも多いそう。ちなみにワインに含まれる酸化防止剤って本当にごく微量で、ドライフルーツやフライドポテトには何十倍も含まれているというデータも見せてもらいました。ドライフルーツやフライドポテトで頭痛が起きないなら、適量のワインで頭痛がすることはまずないですよね・・・。

◆ブドウは農薬を欲する

そして、酸化防止剤の次に気になるのは、やはり農薬。特に赤ワインだと果皮を漬け込むプロセスがあるので、農薬がたくさん撒かれた物はやはり心配になりますよね。でもブドウって、とっても病気になりやすいってご存じでしょうか。日本だと梅雨の時期にカビが繁殖しやすく、灰色かび病やベト病になりやすいです。オーガニックワインを作るために無農薬を貫いていたら病気が発生し、別オーナーが所有する隣の畑にまで広がってしまった、という例もあるそうです。オーガニックやサステナブルを意識することの難しさが垣間見れますね・・・。

◆ワイン造りと社会・環境問題

ワインのコストを下げるために人件費を下げ、子供までも労働力として駆り出されるというケースがあるそうです。カカオ農園の問題と似ていますね。かつては南アフリカの方でこういった問題が散見されていました。今は改善されつつあるとはいえ、解消したとは言えないそう。また、ブドウ栽培には大量の水が必要になります。乾燥した土地に適している、と学習したので干ばつに強いのかと思っていたら、なんと1リットルのワインを作るためには10リットルの水が必要とのこと。世界的に水不足の問題が出始めている中、し好品を作るために水が優先されるのはどうだろうか、と問題になり始めています。また、ワインの輸送で大量のCo2が排出されます。瓶はとにかく重いので、軽量化させて排出量を押さえようという動きがありますが、缶ワインの普及具合をみると課題が多そうな印象です。

普段そこまで深く考えずにワインを楽しんでいた私にとって、はっとさせられるセミナーでした。そして試飲タイムへ。

環境や社会問題に取り組む8つのワイナリーから。自転車ラベルでおなじみのコノスルからもオーガニックワインが1本出されました。

フードロスゼロ取り組みのため、全部美味しく頂きました。

久々のコノスルでしたが、安ウマワインというレベルを超えており、普通にプチラグジュアリーな味わいでした。これは常備しておきたいかも。