西上尾のワイン教室 vin de châtaigne

2024年にワイン教室open予定です♪

ソムリエ協会のセミナーに参加してきました

皆さま、こんにちは。

久々の更新になってしまいました。今年の夏は異様に暑い日が続いていますが、体調はお変わりないでしょうか。

さて、久しぶりにソムリエ協会開催のセミナーに出席してきました。この日のテーマは「オーガニック、サステナブルビオワインとコントロールおよび従来型のワイン造り 比較テイスティング」というちょっと長い物。

一言でまとめるなら、「SDGsや環境に配慮したワイン造りの紹介と試飲」という感じでしょうか。とっても興味深い内容だったので、ぜひシェアさせてください。

◆ブドウ栽培とテクノロジー

水耕栽培の野菜がスーパーに並ぶようになってきたので、世の中的に農業とテクノロジーは意外と親和性が高いのかな、という印象になりつつありますね。ブドウ栽培もテクノロジーを取り入れた畑が増えていて、ドローンや衛星を使って畑をモニタリングし、樹勢のチェックなどが行われているようです。その一方で、馬や山羊などの動物と一緒に畑作業を行ったり、テクノロジーとアナログが共存しています。栽培家は10年後、50年後の未来を見据えたワイン造りを意識しているとのこと。

酸化防止剤あれこれ

ワインを飲むと頭痛がする、と仰る方がいます。原因は人それぞれですが、必ず話題に上がるのが酸化防止剤。実はこれ、あんまり関係ないのをご存じでしたか?ある調査によると、酸化防止剤は一万人に一人の割合で気管支に影響があるものの、頭痛とは無関係だという結果が出ているそうです。じゃあなんで頭痛がするのかと言えば、アルコールが原因の事がほとんど。酸化剤無添加でも飲みすぎると普通に二日酔いになるので、ナチュラルワインだから絶対大丈夫、というわけではないです。ナチュラルワインは最近流行っていますが、玉石混合な印象です。酸化して品質が落ちているものでも、「これはナチュラルワインだから」という理由で持ち上げられているものも多いそう。ちなみにワインに含まれる酸化防止剤って本当にごく微量で、ドライフルーツやフライドポテトには何十倍も含まれているというデータも見せてもらいました。ドライフルーツやフライドポテトで頭痛が起きないなら、適量のワインで頭痛がすることはまずないですよね・・・。

◆ブドウは農薬を欲する

そして、酸化防止剤の次に気になるのは、やはり農薬。特に赤ワインだと果皮を漬け込むプロセスがあるので、農薬がたくさん撒かれた物はやはり心配になりますよね。でもブドウって、とっても病気になりやすいってご存じでしょうか。日本だと梅雨の時期にカビが繁殖しやすく、灰色かび病やベト病になりやすいです。オーガニックワインを作るために無農薬を貫いていたら病気が発生し、別オーナーが所有する隣の畑にまで広がってしまった、という例もあるそうです。オーガニックやサステナブルを意識することの難しさが垣間見れますね・・・。

◆ワイン造りと社会・環境問題

ワインのコストを下げるために人件費を下げ、子供までも労働力として駆り出されるというケースがあるそうです。カカオ農園の問題と似ていますね。かつては南アフリカの方でこういった問題が散見されていました。今は改善されつつあるとはいえ、解消したとは言えないそう。また、ブドウ栽培には大量の水が必要になります。乾燥した土地に適している、と学習したので干ばつに強いのかと思っていたら、なんと1リットルのワインを作るためには10リットルの水が必要とのこと。世界的に水不足の問題が出始めている中、し好品を作るために水が優先されるのはどうだろうか、と問題になり始めています。また、ワインの輸送で大量のCo2が排出されます。瓶はとにかく重いので、軽量化させて排出量を押さえようという動きがありますが、缶ワインの普及具合をみると課題が多そうな印象です。

普段そこまで深く考えずにワインを楽しんでいた私にとって、はっとさせられるセミナーでした。そして試飲タイムへ。

環境や社会問題に取り組む8つのワイナリーから。自転車ラベルでおなじみのコノスルからもオーガニックワインが1本出されました。

フードロスゼロ取り組みのため、全部美味しく頂きました。

久々のコノスルでしたが、安ウマワインというレベルを超えており、普通にプチラグジュアリーな味わいでした。これは常備しておきたいかも。